クロちゃんの首輪
ノラ猫のクロちゃんが
いつもみたいに遊びに来てくれてたある日
なぜか突然、赤い首輪を付けてた。
まだ秋の始めの暖かい日のできごと。
急に寂しくなって、胸が苦しくなった。
私だけのクロちゃんじゃなくなっちゃった。
予防接種みたいにチクリとした。
予防接種はこれから打つよって
分かってるから、まだマシ。
いきなりのことで、私はオロオロした。
これで
保健所に連れて行かれるんじゃないかって
心配しなくてよくなったんだから。
そう自分に何度も言い聞かせた。
これが「合理化」だってわかってるけど
それで気持ちが楽になるんなら、いいんだ。
その後も、クロちゃんはほぼ毎日
秋が深まっても、うちに遊びにやってくる。
赤い首輪が無かった時となんにも変らない。
日にちが経つにつれ
ようやく痛みが小さくなってきた頃
クライアントさまから
大好物のチョコレートをいただきました。
チョコの入った缶は、キュートなネコのイラスト。
ミルクティーを入れて、チョコをかじってみる。
チョコの甘さとクライアントさまの心遣いが
ぐわんぐわん私を満たしてくれる。
「注射したところをよ~く揉んでおいてね。」
看護婦さんが言ってたみたいに
チクリとした場所が、また少しずつほぐれてく。
もう合理化をかけなくても
クロちゃんの首輪が気にならなくなってた。
当のクロちゃんは
「それがどうした?」と言わんばかりに
さっき帰っていったところです。(*´ェ`*)
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